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おおきくすっ転んでスリーアウトチェンジ

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【さよなら青い空】第4話

 どうしよう、と茫然としている少年を見下ろして、女はにこりと笑った。
 こんな時間だと言うのに軍服を着たままだ。
 それにしてもさきほど挨拶しただけの新しい部下に何の用だろう。
「あの……」
 なかなか用件を切り出そうとしない副隊長に焦れて声を上げると、彼女は勝手に部屋の中へ入り、粗末な椅子に腰を下した。
「こんな時間にごめんなさいね。出直した方がいい?」
 ぬけぬけとそんなことを言う。
 ここへきて、じゃあ帰って下さいとは言えない。
 ましてや相手は上官である。
 それに、年が離れすぎているとは言え、こんな遅い時間に女性とふたりきり、という状況が兵部の冷静な判断力を失わせた。
 また明日にしませんか、という一言がどうしても出てこない。
「何か、ご用ですか」
 咽喉の奥に粘ついたものがへばりついたように声が掠れていた。
 水が欲しい、とちらりと思う。
 だが、彼女を置いて部屋を出る勇気はなかった。
「彼がね、よくあなたの話をするものだから、興味があったの」
「彼?」
 どきりと心臓が跳ねた。
 女は兵部の些細な反応をじっくり楽しむように、そして観察するようにじっと彼の白い顔を見つめる。
 口元は笑みを浮かべているが、彼女の目がひどく冷たいことに、兵部はいまさらながらに気付いた。
 瞬時に、自分は嫌われている、と察した。
 自分が相手を苦手と思うとき、相手も同じ感情を抱いている。
 そう思う。そしてそれはきっと当たっているのだ。
 どんなに表面を取り繕ったところで、どんなに第一印象で嫌悪を抱いたことを隠そうとしても、相手が敏い人間であればきっと気づくのだろう。
「隊長のことですか」
 するりと出た声は動揺を通り越して冷静だった。
 副隊長はわずかに、形の良い片方の眉を上げて、うなずく。
 少年の感情が一瞬波立った後にゆっくり落ち着いて行くのを感じたのだろうか。
「本当にね、電話や手紙でもあなたのことばかりなの。ねえ、彼はどんなふう?優しい?」
 どんな話をするの。
 叱られたことはある?
 じゃあ手を握ったことは?
 矢継ぎ早に尋ねる彼女が、少しずつ苛立っていくのが分かった。
 それに反比例するように兵部はひどく冷静になっていく。
 ああ、この女は。
(分かった、すごく不安なんだ)
 馬鹿馬鹿しいとも思う。
 けれど、きっと彼女は見た目ほど大人ではなく、また落ち着いた女でもないのだ。
 きっとそれは見せかけだけで、小さなことでもすぐに引っ掛かってしまう性格をしている。
 ヒステリー、という単語をちらりと脳裏に浮かべた。
 彼女はこんな子供に、単なる部下でしかない子供に嫉妬している。
 自分の知らないところで他人に優しい男を不安に感じてやつあたりをしている。
(馬鹿みたいだ)
 どんどんと胸の奥が冷たく乾いていく。
 兵部は顔を上げて、じっと彼女の燃えるような目を見つめた。
「隊長は僕に優しいです。他の人みたいに怒鳴ったりしないし、訓練が終わったら頭を撫でてくれる。他の軍人には内緒だよってお菓子をくれたこともある。不二子さんにも内緒の話を、こうやってあなたと話しているみたいに夜中にこっそり部屋でするんです。見張りの目を盗んで庭を散歩したこともあるし、天気のいい夜は星を見たり、川で遊んだり、あと、それから……」
 抱きしめてくれたり、などと言ったら。
 彼女は僕を殺すのだろうか。
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せーんきょせんきょ

明るいせんきょ

小学校の投票所へ行ってきた。
あそこ母校なんですが、だいぶ変わったなあ周辺が。
基本的には変わってないんだけど、奇麗なファミリー向けのコーポ?とかが並んでる。
でも高層マンションとかは建ってないので景観はとてもきれい。田んぼが少なくなった。
20年前まではこの小学校のすぐ近くに住んでました。最近は全然こっちへはこないな。
懐かしくなってぶらぶら散歩してきました。

あ、お引っ越しは来月のお盆に決まりました。
ますます夏コミ行かなくて良かったと思った(笑)
いや何か、私の盆休みに合わせてくれたらしいので・・・。

最近の公団?て奇麗なんですね。もっとボロくて狭いの想像してたんですけど、あれふつーじゃね?
ていうか広いし奇麗じゃね?みたいな。すごいなあ。
うちが入る棟は一番隅っこで公園の前なので静かだし最上階なので景色もいいし。
ただし5階までエレベータないのがきつい・・・。
まあいくら住み心地良くても私は出て行くけどね(笑)

【さよなら青い空】第3話

 普段なら寝起きのそれほど悪くない弟が姉の部屋の扉を叩きに来る時間を大きく過ぎても、彼は訪れなかった。
 いい加減業を煮やした不二子は不機嫌な顔を鏡に映して乱れた髪を直しながら、きっちり襟のボタンを閉めて部屋を出る。
 今日は久々の休暇が与えられているため同じ超能部隊に所属する仲間たちはまだ眠っているようで静かだ。
「まったく、あの子も寝坊しているのかしら」
 だらしないったら、とぷりぷりと頬を膨らませ、弟の部屋の前で息を吐く。
 いくら休みだからと言って惰眠をむさぼるなんて、良家で育てられた身分として恥ずかしいとは思わないのかしら。
 どんどんどん、と遠慮なく扉を叩いて反応を待つ。
 五秒ほど待って再び腕を上げると、かちりと鍵を回す音がしんと静まり返っている廊下に響いた。
「何よ、起きているなら開けなさいよ」
 もう、と文句を言いながら扉を開ける。目の前には最近また少し背が伸びた弟がぼんやりと突っ立っていた。
一応身支度はすませたらしくいつもの軍服姿だったが、髪はぐしゃぐしゃで目は赤く充血している。
 顔色も良くない。
 ひょっとして具合が悪いのかと心配して顔をのぞきこむ不二子から目をそらして、兵部は部屋の内部へと戻った。
 つられて彼の後に続き扉を閉める。
 たてつけの悪いそれはふわりと白い綿埃を舞いあがらせながら、わずかな隙間を残して停止した。
 忌々しげに不二子はそれを力任せに閉める。
 弟はこちらに背を向けたまま、うつむいているようだった。
「京介、どうしたの?気分でも悪いの?」
 だったら寝ていればいいわ、と優しい声で兵部の背中に触れた。
 びくりと薄い背が揺れる。
「京介?」
「姉さん、どうしよう」
「何が?」
 うつむいたままの弟の表情は前髪に隠れて見えない。
 ただ、眠れなかったのか赤い目が気になった。
 不二子はまだ自分より少しだけ低い位置にある弟の肩に手を置く。
「どうしたの?何かあったの?」
 何か悪い知らせだろうか。だがそれならばまず自分のところへくるはずだ。
「昨夜、夜中に、あの人がここへ来て」
「あの人?隊長?」
 それならば、そう珍しいことでもないだろう。
 特に兵部は隊長に懐いているし、たまに隊長が寝る前に兵部の部屋を訪れて何かと話をしているのも知っている。
 話題は他愛のない世間話だったが、それでも兵部の、誰にも言えないような心の内を、大人である彼は不二子よりも知っているようだった。
 それを悔しいとは思うが、じゃあ私も、と割って入るほど不二子はもう子供ではなかったし、また異性には話しづらいようなこともあるだろうと納得していた。
 だから、もし隊長と昨夜ふたりで話をしたのであれば、兵部のこんな様子は絶対におかしい。
 ベッドに腰をおろして両足に肘をつき、顔を覆うようにして兵部は項垂れた。
 不二子は彼の隣に座ってじっと待つ。
 ふたりぶんの重みを乗せた粗末なベッドがぎしりと音を立てる。
「あの、女の人が」
「……え?」
 どういうこと、と首を傾げた。
「女の人って、新しく来た副隊長のこと?」
「そう」
 なぜ、と瞬時に疑問を抱く。なにやらいかがわしい想像をしそうになって不二子はありえないと苦笑した。
「何をしにきたの?部隊に関係あることかしら。でも私のところへは来なかったわ」
「どうして僕のところへ来たのかは分からない」
「何をしに来たの?」
「話をしに」
「何の?」
「……隊長の話を」
 ぽつりぽつりと紡ぐ兵部の説明は途切れ途切れで、理解不能だった。
 新しくやってきた女性の副隊長が、真夜中に、部下(になる予定)の部屋へやってきて突然隊長の話をしにきたのだと言う。
「どんな内容か教えてくれる?」
 沈黙が降りた。
 だが先を急かすようなことはせずに不二子はじっと我慢する。
 短気な彼女にしては珍しい優しさだった。
 早く言いなさいよ、と内心思いながら、しかし弟は青ざめた顔でおそらくどう説明しようか悩んでいるのだろうと思った。
「良く、分からないんだけど」
「うん」
「どうしてそんな話を僕にするのか、全然分からなかった」

今日も雨~昨日も雨~

きっと明日も~雨~だけど~

傘はさすよ!英国紳士じゃないからね!

今日電車並んでる列の前の前の女子高生が堂々とアニメ雑誌読みふけっていて居たたまれない恥ずかしさを感じましたまる。たまに混みあってる電車内でちゃきちゃきと音漏れしてるイヤホンからアニソンが聞こえてきた日にはヒィィってなりますがそれが分かる自分がすごく嫌だ(笑)しかも100%女性歌手(声優)っていう。
ちなみに私の携帯のりすもにはヘタ関連2つと絶チルのプレイリストがあったりする。

あ、隊長関連好きですってコメント頂きありがとうございました。
夏なので夏っぽい本を作ろうとした名残りがあれですw
そうかーアンソロ参加と初めて絶チル本作ってもうすぐ一年になるのかー。
短い活動だったな・・・(笑)
通販の受け付けは明日までとなっています。今日までに頂いた申し込みには全てメール送信済みです。
在庫どうするかは悩み中。さてどうしようか・・・。

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